2015/02/07

大相撲

















相撲が好きなのは,きっと祖父がよく観ていたから.
わかりやすいルール,すぐにつく決着,
体格だけでは分からない勝負が面白かった.

子ども心に,楽しくみることができていた.
いつも夕方に放送されるから,
もうすぐご飯という気持ちも手伝っていたかもしれない.

一度は観に行こう,と思って,先日両国国技館を訪れた.
桟敷席はハードルも高く,遠くからの観戦.
力士の方々の体には,明らかな強さがみてとれた.
テレビに映るような幕内力士のそれは,
彼らより下位の力士と見比べると明瞭に違いを感じる.
もし一人の力士が成長していく姿を見ることができれば,
大変な感慨がありそうだと想像する.

一昔前の相撲を題材とした映画として,黒澤明の土俵祭がある.
国技館ほど大きな会場でないところへ人が詰め掛け,真剣な勝負が行われる.
きわどいときに勝敗をつけない預りや,賄賂を持ちかける場面もあった.
今の相撲界に八百長がはびこっていないのを願うのと同時に,
主人公のような,強い日本人力士の誕生を望みたくなった.

国技館で幕内力士の対戦中に食べたお弁当が転じて,
現在の幕内弁当という呼称が広まったらしい.
相撲の魅力は,明快な対戦と同じくらい,仕切りの時間にあるのだと感じている.
気持ちを高め,身を清める所作は伝統的な神事にふさわしい.
ひきつけられる対戦に引き締まった仕切り.
桟敷席のような近くで,弁当をつまみながら応援すれば,
おいしさも楽しさも倍増しそう.

ここにビールがついたらそれはもう...!
という風に,祖父があれだけ好んでいた理由を身に理解できたと思う.
東北で大相撲の通常開催がないことは残念だけれど,
しばらくはテレビのこちらから,たまには直に観ながら,楽しみたい.

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