2015/04/13

国語=Japanese












日本語検定のHPに,日本語について解説したコラムがある.
そのコラムの中で印象に残っているのは,次の内容.

学生が英訳するときに,国語を英語ではなんというか先生に尋ねる.
先生はJapaneseと教えてくれる.
学生としては,国語=母国語(Mother tongue)だったのが,国語=日本語に気付かされる.英語の枠組みでは,Japanese,一つの言語として扱われる.

母国語としての日本語に気付かされる面白いコラム.
私自信が国語に興味をもったきっかけは,小学校のころ.
「一つの花」という小説.
戦争中,お父さんが奥さんと子どもを一人置いて,戦地に赴く.
別れるときに,お父さんがコスモスの花を一つ持ってきて子どもに渡す.
お父さんは戦争のため,帰ってくることはできないけれど,
子どもが大きくなったころ,コスモスの花は群生する.

なぜお父さんはコスモスの花を子どもに渡したのか,みんなで考えた.
なぜペットやおもちゃではなかったのか.
私が感想文に書いたのは,これから子どもは一人で生きないといけない.
コスモスの花は最初は一つだけれど,種を飛ばすことで他のコスモスと仲良くなって,二つ以上になることができる.
お父さんは子どもにも,友達と仲良く過ごしてほしい,という願いをこめた.

小学校の先生が花マルをくれ,私の中で国語がずっと好きになった.

高校になると古文漢文を学んで,現代文とは違う魅力に気付いた.
よく覚えているのは「隗より始めよ」という故事.
将軍が隗に,才子を集めるにはどういう手段が的確か尋ねる.
隗は「まず私を優遇することから始めなさい.私より優秀な人が『隗ですら優遇されるなら,私はもっと優遇される』と考えて集まります.」と答える.
将軍は納得し,まず隗を優遇する.
結果として,中国各地から優秀な人材が集まって国が栄える.

現在では,まず身近なことから,言い出した人から始めよ,と使われる.
ひとつの故事ことわざについて,由来を知ると面白い.
そもそも国語の文章に残る話は,歴史家や文筆家の手によって取捨選択された内容.ベストセラーをはじめとする様々な書物が著されても,長い年月に耐える魅力や含蓄をもつ文章だけが古典になる.
それを思うと,国語,日本語を学ぶ面白さがますます深くなった.

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