ここ1か月で,6つの美術館を訪れた.作者のエネルギーが集中した作品を鑑賞するのは,やはり見る側にも多くのエネルギーを必要とする.インプットが重なると,どうもアウトプットの圧が高まるようで,自分でも何か描きたくなってきた.
インプットとアウトプットの関係は,片側交互通行の道路だと私はとらえている.どちらか一方だけ車を流し続けると,すぐにもう一方が渋滞してしまう.交通整理を行う人の判断で,片側を流し,続いて反対側を流す必要がある.
情報の洪水と呼ばれる現在,とかくインプットがアウトプットより多くなりがちである.テレビや新聞だけでなく,スマホひとつで多くの情報にアクセスできる.一方で情報の速度は加速し,今日のニュースが一週間後も報道される可能性は小さい.
情報の海に流されてしまうと,人は泳ぐことができなくなる.インプットがあまりに多ければ,人は考えることをやめてしまう.流されないためには情報の取捨選択が求められ,その上で初めて情報の発信が可能になる.
反対に,アウトプットがインプットを上回るのはどうだろう.限られた水を様々に用いようとすれば,自然使い回さなければならなくなる.ネットニュースやハウツー本の一部に散見するような,内容の薄い発信になってしまう.
インプットとアウトプットの割合を近づけることが,私の目指すところである.インプットを取捨選択するとともに,アウトプットを意識して行う.このブログも,アウトプットのひとつとして書いている.
『知識を鍛えあげるには,常にアウトプットして,人とコミュニケーションすることが必要』とはヤマザキマリ著「国境のない生き方」にあった.教養を身につけるだけでは不十分で,日常的に考えを発信する必要がある.
コンピューターが人間の仕事を奪いつつある現代において,歩く辞書は以前ほど重用されない.人工知能による創作も時間の問題ではあるが,人間らしさとは何か,アウトプットにこそ求められるのではないかと私は考えている.
ブログを書くことで,文章力を少しずつ磨いているように感じる.絵に自信は全くない私も,描くことが何よりもの訓練と信じて,絵を描いてみたい.そうして,インプットに応じたアウトプットを心掛けていく.
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